ペットの思い出(その2)「風邪を引いたボブおじさん」
ボブおじさん(茶) と ピーター(白)
ある日のこと、ペットとして飼っていた雄鶏のボブおじさんがなんだか元気がない様子。
こどもたちが心配してなんとか治せないかな~?と聞いてきたが、人間であればなんとか考えられる私達であったが、餌も食べようとしないで段々弱っていく。
犬や猫ならまだしも、鳥が病気になったらどうしてよいのかわからない。
夫に相談すると日本政府が建てた立派な獣医学科がルサカの大学にあるので行ってみたらどうかと提案した。
とりの専門家の診断
男性のお手伝いさんのカベサさんに一緒に行ってもらい鳥の専門家がいないかと訪ねた。
すると小さな体格のインド系の教授が出て来られて診察となったが、最初に「この鶏、咳はしますか?」とまじめに聞いてこられたので非常に驚いてしまい、思わず笑ってしまった!
というと初めて彼は笑みを浮かべた。そして、くちばしを上手にかっぽりと開いて様子を見ている。。。。なんだか怪しいな~。
「これはマイコプラズマという肺炎ですな」と自信たっぷりで診断名が告げられた。
「え!にわとりが肺炎?しかもマイコプラズマですか?」私はもう言葉がなかった。
しかし、彼はとりの教授さまなのだ。
確かにオウム病とかいうものもあるが。。。。
動物に関する医学知識のなさを痛感させられた。人間でもマイコプラズマ肺炎はひどい咳と発熱で痰もひどく出て私も随分苦しんだことがある。
すぐにテトラサイクリンという抗生物質の処方箋を書いてくださり、市場の薬局で買って毎回注射器を使って飲ませたのだが。。。
薬の効き目
果たしてアンクルボブはみるみる間に回復して元の元気な夫とお父さんに復帰することができたのだった!
やはりあの鶏の教授の診断は確かであったのだ!
ボブおじさんは相変わらず毎日のお勤めである5時前にけたたましく朝をつげるのだった。
ボブの息子
ところがそのボブも老齢になり、残念ながら多くの妻子を置いてお先に天国に召されてしまったのである。雄がなくなったらこの群れはどうなるのか、もう一羽の雄を買いに行かないといけないかなと思っていた矢先のことだった。
子供に一匹のピーターという珍しく真っ白でしかも体格不良な雄が生まれていたが、どうやらボブのあとを引き継いだようだ。
小さくてひ弱な声で「ケ~コケケケ。。」としか鳴かない。
なんだかたよりなくかわいそうである。
ピーターの成長と教訓
しかし日がたつにつれてピーターはたくましい、自信に満ち満ちた声で
となくようになってきた。
さすが成長をするとはこういうものなのだと感心する。
私達人間はとかく姿が立派で強く、しかも才能や能力のあるものに目を惹かれるという傾向を持つと思う。
しかし、そうではなく、
物事に対する熱心さ、責任感と愛情を注ぐことがもっとこの社会に影響を及ぼすということなのだと私達に学ばせてくれたのではないかと思っている。
神様はそれぞれを豊かに祝福をしてくださり、成長をさせてくださるのではないだろうか!