令和5年3月5日 家庭礼拝シリーズ(4)「タラントのたとえ話」

聖書:

ペテロの第一の手紙4章10節

「あなたがたは、それぞれ賜物をいただいているのだから、神のさまざまな恵みの良き管理人として、それをお互のために役立てるべきである。」

 

注)タラントのたとえ話は、新約聖書のマタイ25 :14―29 に書かれています。

 

前奏:

 

ビデオ:

 

今日の礼拝を音声でお聞きになりたい方は以下をお聞きください。

 

父:

「今日はタラントのたとえ話だね。『タラント』というのは、イエスさまの時代のお金の単位で、ギリシャ語なんだよ。英語はタレントで(Talent)「才能」とか「特技」の意味になっているね。今は、テレビで『タレントさん』といって芸能界の人のことをいうよね。ところで、君たちはどんなタレントがあるのかな?」

陽子:

「は〜い!私はね、元気なこと。」

全員:

「爆笑」

勇:

「陽子、そういうのはタレントと言えるのかな? ね〜、お父さん?」

父:

「面白いね。でも、元気も一つの特技ともいえるかもしれないよ? 勇はどうだい?」

勇:

「そうだな、僕はサッカーが得意だから。」

愛美:

「私はピアノかな?」

母:

「みんな神様からいただいたタレントが一杯あっていいわね。」

父:

「ところで、1タラントはどのくらいのお金だと思う?」

愛美:

「商売をするだけのお金なんだから相当なお金だと思うけど、100万円ぐらいかしら?」

勇:

「僕はもっと大きなお金だと思うよ。1000万円ぐらいじゃないかな?」

父:

「当時は1タラントというのは、およそ6000日分の給料だと言われているようだから、おおまかに計算すると16年分だよね。例えば、串本町の一人あたりの平均年収は、約363万円らしいから、16年だと約4800万円ぐらいになるかな?5タラントの人は2億4000万にもなるんだよね。」

陽子:

「わ!ご主人はすごいお金持ちだったんだね。」

母:

「さて、このお話でなにか質問や感想はあるかしら?」

勇:

「ご主人はとっても厳しくて3番目のしもべを追い出しちゃったでしょう?ご主人が神様だとすると、ちょっと僕だって恐ろしいな〜。失敗して叱られるのは辛いし、惨めだよね。それからね。あの時代にも銀行があったなんてびっくりだった。」

父:

「なるほど、勇はとても良いポイントを指摘してくれたと思うね。みんなはどう思う?」

愛美:

「確かに厳しいのかもしれないけど、資金を出してくれたご主人さまとしてはやはりしもべには頑張ってもらいたいだろうし、利益を期待するのは当然だと思うのね。」

父:

「愛美はなかなか理性的だね。」

陽子:

「わたしは、三番目のしもべがちょっとかわいそうだと思う。だって、失敗することもあるでしょう?損をしなかっただけでもよかったんじゃな〜い?」

母:

「陽子ちゃんは3番目のしもべに同情をしているのね。なるほどね〜。

先週は失敗だらけの放蕩息子を赦した神様のお話だったわよね。だから、勇君がこのご主人が神様だとしたら怖いと言ったのはよくわかる気がするのね。今回の神様のイメージがまるで反対だったからね。ところで、ご主人がしもべたちに期待していたのは、お金もうけの結果だけだったのかしらね?」

陽子:

「え?お金もうけじゃないの? それじゃなんだろう?」

勇:

「ご主人はしもべに対して『忠実』を期待されていたよね。だって『忠実なしもべよ、よくやった。』ってほめていたから。」

父:

「確かにそうだよね。」

愛美:

「私は『努力』だと思うわ。たくさんのお金を預けてくださったのだから、真面目に働いてお返しをしなきゃね。」

陽子:

「陽子はなんだかよくわからなくなっちゃった。」

母:

「陽子ちゃんがわからないというその気持ち、お母さんもよく分かるな〜。お父さんはどう思いますか?」

父:

「このたとえ話は、しもべ達に与えられたお金に差があったことや託されたお金でどれだけ儲けたかということに注目するとよくわからなくなってしまうような気がするんだよね。お父さんがまず驚いたことは、ご主人がくれた金額の大きさだったんだ。神様がくださる私たちへの愛というのはとてつもなく大きいということだと思う。当時の人々はイエスさまが十字架にかかるなんてまだ考えもしなかったかもしれないけど、私達の罪を赦してくださったり、さらに永遠の命を約束してくださったということにも繋がるのではないかと思うんだよね。その神様の大きさをしもべたちはどう感じていたのだろうかな?」

母:

「お父さんは神様の大きな愛について話してくれたのはとても嬉しかったですね。神様が怖いだけの存在ではないということがわかってとても安心しました。みんなはどうでしたか?」

陽子:

「うん、これでスッキリしたかんじ。」

勇:

「でも、僕にはもう少し納得がいかない部分があるんだよね。それは、なぜ1タラントのしもべだけがご主人に叱られたのかということなんだけど。」

父:

「それはそうだよね。じゃみんなで考えてみよう。ところで、このたとえ話を聞いている人々はどういう人たちだったかな?

愛美:

「イエスさまの弟子達と律法学者やパリサイ人よね。」

父:

「そうだったね。そして、イエスさまは『天国はこのようなものである』ということを最初に話されてからこのたとえ話をしておられるね。ところで、1タラントをもらったしもべは一体誰のことをイエスさまは指していると思う?」

勇:

「きっと律法学者やパリサイ人かな?」

父:

「そうだよね。放蕩息子のときもお兄さんが律法学者やパリサイ人として表現されていたように、イエスさまは、律法学者やパリサイ人がいた時には必ずたとえ話をされたよね。

大きなお金を預けられたという事は、ご主人がしもべたちを信用していて、よくやるはずだと期待したと思うよ。それなのに1タラントを頂いたしもべはご主人のことを信頼していなかったばかりかまず、恐れていたということ。律法学者やパリサイ人は掟を守ることこそが天国に行く条件と思っている人達だったから、失敗しては決して天国には行けないと信じていたからね。人間として立派にならなければ天国に行けないとしたらどれだけの人が天国に入れるだろう?愛美が努力はとても大事だということを言っていたけどその努力も時々限界が来るよね、それを乗り越える力はどこから来ると思う?」

愛美:

「神様からです。」

母:

「そのとおりです。神様は助けてくださるのですね。聖書に書いてはいないけどお母さんの想像では一生懸命やったにもかかわらず、万が一、失敗してお金を失ったとしてもご主人はおそらく叱らなかったと思うのです。なぜならご主人のために最善を尽くしたからです。神様は目先の結果だけを評価なさる方ではなく、心を見られるかたですからね。

ところが、自分の小さな殻に閉じこもって自分を守ろうとすると、人々の中に入って交渉をしたり、危険を犯すことをしないで済むので、お金を土の中に埋めて何の努力もしなかったのですね。それに、ご主人に謝ろうともせず、さらに私は正しいのだと主張をしたのでした。

旧約聖書の中で神様という存在は『正義の神様』『悪いことをすると滅ぼす神様』として表現されることが目立ちますので神様は『恐ろしい存在』として捉えられていたと思います。でも、イエスさまがこられた時代の新約聖書は逆に『赦される神様』『忍耐の神様』『愛の神様』として表現されています。神様は私達にイエスさまが来られたことで、天国はすでに私達のために用意されているということで喜んでもらいたいと願われたと思います。律法を守ろうとする努力をしている人々が、がんじがらめになって生活をしているのをイエスさまは哀れに思って、律法の本当の意味を知らせようとなさったと思います。律法でいちばん大事なのはなんだったかしら?」

愛美:

「『神様を愛し、隣人を愛しなさい。』でしょう?」

父:

「そうだね。イエス様がいつでも一緒にいてくださるということを知っている私たちが毎日喜こんで、家族やお友達、そしてこの社会で中で助け合っていくことがイエス様の望まれることなのではないかな?」

母:

「最後に、私達はイエスさまの思いを十分に知ることは出来ませんから、色々な捉え方があっていいと思います。正解は天国に行ってからのお楽しみにしておきましょうね。でも、みんながこれから成長していくので、また色々と意見を聞かせてほしいですね。では、今日は、お父さんにお祈りしていただいていいですか?」

父:

「はい、お祈りしましょう。神様、今日も家族そろって礼拝できて有難うございました。今日は天国がどういうところかを教えてくださるたとえ話をありがとうございました。みんなが等しく受けている神様の愛に信頼し感謝し、与えられた賜物を十分に生かして、みんなが愛し合える、助け合える天国がこの地上にも広がりますように、私たち一人一人をお導き下さい。イエス様の御名によってお祈りします。アーメン!

 

後奏:

ご報告

「令和4年度薬剤師認知症対応力向上研修」が以下の2か所の会場において開催されそれぞれ130名、25名あまりの地域の薬剤師の方々が集まられました。

2月23日 和歌山市:和歌山県薬剤師会館 

2月26日 田辺市:「ガーデンホテルハナヨ アリーナ」

3名の講師が分担し「認知症」の基本知識、認知症ケアの原則、医療と介護の連携についての研修会が行われました。「からし種在宅クリニック」小野道夫医師が講師として招待を受け講演させていただきました。日本の高齢者の生活と認知症の診療、ケアの現状と課題、認知症の誰にでもできる診断と分類法、それに基づくお薬の選択や、処方量などについてお話をいたしました。最後に以下ようにまとめとして薬剤師の方々へのお願いをいたしました。

1.笑顔と思いやりで患者さんやご家族の辛さや必要に関心を持って接していただきたい。

2.高齢者の認知症、そして関連する発達障害の早期発見をすることが必要であることへの認識をしていただきたい。

3.ご家族が悩んでいることを傾聴し、包括支援センター、役場福祉課などへ相談したり、認知症を正しく見れる医師の受診を勧めることも大事です。

4.認知症の患者さんが来られた場合は症状に応じて臨機応変に対応をしていただきたい。

5.処方薬調剤時に注意していただきたいこと

①  高齢者への多剤処方の問題や、その人に合った処方量に関心を持つ。

②  薬剤性認知症(処方薬が認知症を起こす)についてのさらなる学び。

③  降圧剤、抗糖尿病薬の過量に注意。

④  認知症治療薬、周辺症状治療薬が適正か、また処方量過量に注意。

⑤  新しい処方の場合、薬の効果や副作用についての説明をし、経過を確認する

⑥  薬はきちんと飲めているか、或いは副作用のために中断していないかの確認をすること。

⑦  患者さんやご家族の立場になって、薬剤の専門家として処方した医師と密に連携し、さらに討論をしていける将来を目指していただきたい。共に努力致しましょう。                和歌山会場

                   田辺会場

 

 

                

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