令和5年10月15日 家庭礼拝:旧約聖書物語(7-1)題:「預言者サムエル」

旧約聖書物語7−1 題:預言者サムエル

旧約聖書:

サムエル記上1:26ー28

「わたしはこの子を授かるようにと祈り、主はわたしが願ったことをかなえてくださいました。わたしは、この子を主にゆだねます。この子は生涯、主にゆだねられた者です。」 

 

新約聖書: 

テサロニケへの手紙 第一5:18

すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって神があなたがたに望んでおられることです。

 

日本語の音声録音は以下からお聞きいただけます。

父:

今までの復習をしてみようね。エジプトで奴隷生活を強いられていたイスラエルの民は、モーセとアランによって脱出に成功して約束の地のカナンを目指しました。シナイ山では十戒を与えられましたが、民の不信仰と偶像礼拝をおこなってヨシュアとカレブ以外の一世の人々は荒野で40年間さまよって死に絶えました。やっとカナンに入ったイエスラエルの民でしたが、また、神様の契約を守れませんでした。そこで神様は12人の士師を備えたのですが、道徳的にも混沌としていて、人々は知恵があり、誠実な王様を必要としていたのです。

母:

サムエル記は二部(上、下)に分かれていますが、紀元前1120年頃から150年間の出来事を書いています。士師たちの時代が300年ほど続きましたが、士師の時代から王政に移行をしていきます。前半は、預言者サムエルが登場し、イスラエルの最初の王になるサウル、そしてダビデのことが記されています。今日は、そのサムエルの誕生のおはなしとまだ幼いサムエルが神様からの召命を受けるおはなしになりますね。それでは、賛美をして紙芝居をしましょう。

 

前奏:「ハレル ハレル ハレルヤ!」

 

日本語の音声録音は以下からお聞きいただけます。

<紙芝居>

陽子:

エルカナと言う男性に、ペニンナとハンナという二人の妻がいました。ペニンナには子供がいましたが、ハンナは、夫に愛されていましたが、不妊でこどもができませんでした。またペニンナはそのことでハンナを苦しめました。

ハンナはみじめで、悲しくて、神殿で泣きながら「神様、私に子供をお授け下さい。もし願いがかない、男の子なら生涯神さまにお仕えします。」と祈ったのです。

勇:

祭司エリは、「心を注ぎだし」て祈っていたハンナに「安心して行きなさい。イスラエルの神があなたの願ったその願いをかなえてくださるように」と語りかけました。ハンナは、このエリの言葉によって、自分の祈りが聞かれたという確信ができてハンナの心には平安が与えられました。

愛美:

やがてハンナは男の子を生み「サムエル」と名付けました。サムエルという名前の意味は「神様が聞いてくださった」ということです。ハンナはサムエルが乳離れするまで大切に育て、やがて神に祈った通り、祭司の元に幼いサムエルを連れて行きゆだねます。ハンナは、毎年、サムエルのために手作りした服を神殿に届け続けました。

父:

時は過ぎて、少年になったサムエルは一生懸命に祭祀であるエリのもとで働いてお仕えしていました。

ある夜のことです。眠っていると「サムエル」という声を聞いたので、すぐにエリのところに行きましたが、エリはサムエルを呼んではいないといいましたので、再び眠っていました。するとまた「サムエル、サムエルよ」と声がします。そういういことが二度も繰り返したのです。

エリは神様がサムエルを呼んでいるのだと分かり、またその声がしたら「しもべは聞ききます。主よ、お話ください。」と言いなさいと話したのです。

勇:

その時、神様はサムエルに話したのはエリの息子たちが罪を犯したので滅ぼすということでした。エリが正直に何を話したかを言いなさいと命令をしましたので話すと、エリは「それは主である。どうぞ主が良いと思うことを行われるように」と受けとめたとあります。

陽子:

こうしてサムエルはエリのもとで預言者としての使命を自覚するようになって、人々と神様に愛されました。

 

日本語の音声録音は以下からお聞きいただけます。

父:

さあ、みんなの感想を聞こうかな?

陽子:

ハンナというお母さんはとっても義理堅い人だったよね。やっと生まれた赤ちゃんを幼いときから祭祀に仕えるために家族と離れ離れになったでしょう?もっと家族と一緒に暮らしたかったと思うわよ。でも、神様と約束したからその通りにしたんだよね。

勇:

いわゆる、サムソンと同じようにナジル人になったというわけだよね。でもさ、お母さんは一生懸命自分で作った服をサムエルのために毎年作って会いに行ったというのでサムエルも嬉しかったと思うよ。それに、神様はお母さんが寂しくないように3人の男の子と二人の女の子を授けてくださったんだから有り難いよね。

母:

本当にそうですね。モーセも宮殿に住む前には本当のお母さんに育てられたましたね。神様は至れりつくせりのお方ですね。

愛美:

エリは祭祀だったけど、息子たちは酷いドラ息子だったようね。エリは神様を信じ、また神様を恐れることを知る人だったけど、息子たちに厳しい処罰を与えるべきだったのに、息子可愛さに彼らの非道に目をつぶってまでも祭祀を継がせることにしていたということが書かれていたわよね。

父:

神様の使命を全うするためには、血縁ではないということがわかるね。アロンの息子たちも堕落して神様に滅ぼされただろう。神様はアロンの直系であるエリとその子どもたちを退けて、レビ族でもないまったく別の血筋の者、つまりハンナの息子サムエルを祭司として立てることを宣言されたということだね。

母:

私はハンナのことを思う時にこんなことを感じました。聖書に登場する女性には、不妊の女性たちが神様のご計画のうちにあって、子供を授かり、後に重要人物として成長していきますね。前回のサムスン、洗礼ヨハネを産んだエリサベトもそうでしたね。時に、神様は、大変つらい体験や悲しみに陥っている人々に祝福を与えてくださって神様の業がなされるということをしらされます。私達の人生はいつもハッピーとは限りません。そのようなとき、どのようにすればいいのでしょうね?

陽子:

神様にお願いすることだと私は思うわよ。だってそれしか方法がないでしょ?

勇:

そうだね、でもやはり信じて祈らないといけないのじゃないかな?

愛美:

でも、私達の願いや希望が神様のお考えであるとどうして分かるの?間違っているかもしれないじゃない?

父:

とても大事な話し合いだね。ところで、ハンナの祈りはどうだったのかな?

勇:

涙を流しながら熱心に祈っていたよね。そして、ハンナの場合は、祭祀のエリが「願いは叶えられますよ。」と宣言したでしょ。神様に仕えている人があのように予言をしてくれると信じやすいけど、現在、僕たちは神様の声が聞こえるわけでもないのでどう確信すればいいのかわからないよね。今でも、「これは神様のお告げです!」なんていう人もいるけど、それはちょっと行き過ぎだと僕はおもってしまうな。

愛美:

イエスさまもゴルゴダで血の汗と涙をながしながら祈っておられたでしょう?でも、最後は「み心のままに」って祈られたその姿をどう解釈したらいいのかしら?イエスさまは最初から私達の身代わりのためにこの世に来られたということを知っておられたと思うけど。

母:

そうですね~。私達は祈るときに、自分にまず、正直になるということが必要だと思いますね。神様の前に自分をさらけだすということです。ハンナもそうでした。遠慮したりしないで「こうしてください。これは耐えられません、どうか助けてください!」と祈ることですね。私達はとても弱い存在ですが、それを恥じることはないのです。イエスさまも十字架にかかる意味も神様のご計画も全てご存知でしたが、やはり血の通った人としての苦しみは私達と同じなんです。だからこそ、私達の辛さ、悲しみを知っていてくださるのですね。でも、「私の思いではなく、みこころのままに」と祈られたお姿を私達は決して忘れてはならないと思います。たとえ、気持ちがついていかなくても、信じきれなくても、口にだして祈るということをしていきたいと私は思っています。最近、渡辺シスターのキリストの香り(4) - 人生の穴と向き合うという動画を見ましたが、参考にあとで見ていただきたいと思います。陽子ちゃん、お祈りお願いします。

陽子:

はい、祈ります。神様、今日はサムエルの誕生のときのお話を学びました。お母さんのハンナさんの祈りと神様への約束を守ったことは本当に感動しました。私達には神様はどのような計画があるのかはわかりませんが、どんな困難があろうとも信頼していけますように強めてください。イエスさまのお名前によってお祈りします。アーメン。

 

後奏: "What A Friend We Have In Jesus" 賛美歌「いつくしみ深き」

渡辺シスターのキリストの香り(4) - 人生の穴と向き合う

 

 

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