「叶えられた夢」

叶えられた夢

子供の頃から、私は探偵もののドラマが大好きであった。その当時はテレビもなくラジオに耳を当てながらよく聞いたものだった。もともと正義感が強かった私はいじめられた同級生をかばって悪大将とやりあっていた。

ある日、女の子をいじめて泣いていたのを私に助けてほしいといってきた生徒がいたので急いで向かった。するとそれは一番のワルで有名なTであった。

どうしたのかと問いただすと

「やかましいわい!文句あんのか!」

といったかと思うと拳のパンチを一発右の頬に食らったのである。幼稚園からボクシングを習っていたというだけに頭がクラクラした。その時、聖書の言葉が脳裏をかすめたのである。

マタイ5:39「しかし、わたしはあなたがたに言う。悪人に手向かうな。もし、だれかがあなたの右の頬を打つなら、ほかの頬をも向けてやりなさい。」

But I tell you, do not resist an evil person. If anyone slaps you on the right cheek, turn to them the other cheek also. (NIV

私は嫌な予感がした。

するとTはびくともせずにたっている私が憎らしかったのだろう。

「こいつ何も効いてないな!」といってもう一発 私の左頬を拳で思い切り打った。その瞬間、我慢の尾が切れた私は彼を睨みつけ向かっていったのである。彼を床に倒すと彼の首を締めた。

彼は逆襲してくるとは思わなかったのであろうか、そのまま逃げてしまった。

家に帰ると頬に青あざを見つけた私の祖母がどうしたのかと心配して冷やしてくれた。しかし、そのことは誰にも顧みられずそのままになってしまった。

神様への祈り

 

私は神様に願って祈った。

Megumi
神様、私は悪い人をそのままには出来ません。

どうか1回でも良いですから私に犯罪者をあの探偵達のように捕まえさせてください。
必ずあなたに祈ったことがかなえられたと証をしますから

毎日1回寝る時に祈ることにしていた。

すると2-3ヶ月後に友達を自転車で送っていった帰りに、車とバイクが衝突した現場に出くわしたのである。

「危ない!」ところがその自動車は止まることをせず逃げ出した!「ひき逃げだ!」と思いバックナンバーを覚えた。わ 3313忘れもしない。

幸い、怪我はたいしたことなさそうである。すぐにパトカーが来て現場検証をしていた。私はそれを終えて警察官に

「おまわりさん、私、ひき逃げをした人の車の番号を覚えています。」

というと、疑いの目でみるのである。

おまわりさん
え!本当なのか?
勘違いじゃないだろうな。

まあ、良いから。その番号をいいなさい。
調べてから夜8時にお宅に電話するから電話番号と家の住所を聞かせて

 

とノートをとっていた。 家に帰りながら、

「えらいことを見てしまった。でも確かにあの番号だ、間違いない。きっとお母さんも喜んでくれるに違いない!」

と家に帰るなり母にこのことを話したのである。ところが

「めぐみちゃん!どうしてそんなことを言ったの?間違いだったらどうするの!その人が犯人と間違えられてえらいことになるかもしれないでしょう!」

とたしなめられてしまったのである。

警察からの連絡

8時が来るのが怖かったが時間は近づきかっきり8時になった。すると「リリーん」電話が!母が

「はい、はい、そうですか。はい、はい、ありがとうございました。」

と受話器をおくとにっこり笑顔で

「めぐみちゃん!おめでとう。あなたの見た番号が犯人のだったので、すぐに捕まえることが出来たのだそうよ。いつか、警察署からあなたに感謝状が送られるそうですよ。」

「よかった!やっぱりあっていたんだ!」

その日は興奮してねられなかったが神様に感謝の祈りを捧げた。

「神様とうとう夢が実現しました。すべて神様がしてくださったのですね。有難うございます。お約束しましたようにこのことは一生証をします。」

 

翌朝

翌日起きると両親と祖母が新聞を読んでいて、私の記事が大きくでていることを知らせてくれた。

翌日の新聞
「大田惠君、お手柄!ひき逃げ犯人のバックナンバーを知らせて犯人逮捕に貢献する」

小さい町だったので人々に知られて有名になってしまった。でも私が男の子だと新聞記者は間違えたらしい。のちに大きな警察の署長さんが来て、感謝状とディズニーの目覚まし時計をくださったのである。

 

月日は流れ

このことをある友人の脚本家に話をしたところ、何年か前にラジオ放送になったので紹介したい。

なんとドラマ化!してしまいました
事実とは少し違うストーリーになっているが、とてもユーモアたっぷりにドラマが展開している。

神様は小さな他愛の無い願いも受け入れてくださり、聞いてくださるお方なのです。このことがきっかけになって私は今に至るまでイエス様に何でも話しをすることにしている。

 

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